木の紙、草の紙


Sep.14(Fri)〜Sep.24(Mon) 2001
Maki Textile Studio, Aoyama, Tokyo




 

手漉きの紙の感触がとても好きです。
自分たちが、日常の生活でもっともっと使いたい、という希望で企画しました。

「漉く」と「織る」という工程の違いはありますが、布をつくっている私たちに紙はとても近いものです。
今回は、木や草からの色、植物繊維の風合いをそのまま楽しもうという試みです。

能登の遠見和之さんにお願いして、竹・杉・藍染めの和紙や、照明などを出品していただきます。
インドでは芭蕉の紙や手漉きのノートブックをつくりました。(このノートブックも素晴らしいです!)

また、遠見さんとバスケタリー作家真木雅子さんのコラボレーションによる「籠に紙の素材を漉いた作品」も展示いたします。
どうぞ、手漉き紙の美しさをご覧ください。

実は、この夏、私たちは和之さんの工房を訪ねました。
それは、制作の現場を見せていただくことと、バスケタリー作家(真木雅子)とのコラボレーションをするためでした。

蔓やワイヤーで編んだ籠に、遠見和之さんがつくっている紙のもと(杉や竹や、楮の繊維を煮とかしたもの)をからめた照明やオブジェをつくろうという試みをしました。楮に泥を混ぜたものもあります。
なかなかおもしろいものができました。
(写真は、遠見さんに用意していただいた紙のもとを籠で漉く真木雅子)

※ 遠見和之さんは、展示会初日9月14日に会場にいらっしゃいます。


 以下は遠見和之さんから届いた文章です。



 

今漉いていているのは、杉皮の紙です。
あまり白いまともな紙は漉きません。

作った紙の用途を考えないので、色々な素材を使いたがります。
素材それぞれの繊維の違いで、紙はいろいろな表情を見せますが、わけのわからない紙ができると楽しくなります。

穴のあいたものや、極端にふくれたものは、本来タブーとされていますが、非常識に挑戦したくなります。
杉皮などは、にるとものすごいアクが出るので、水をあててアク抜きするのですが、かなりのやっかい者で手がかかります。
素材それぞれに色が違っていて、その時々の漉き具合で色が微妙に変わってくるので、同じ色のものをといわれると神経を使います。

変わった紙ほど作りづらく、荒々しい表情のものは、一日50枚位しか漉けませんし、厚いものは乾燥にも時間がかかります。
今後は平面の紙を、いかに奥行きを感じるようにするかを、ねらっていきたいですが、立体にもどんどん挑戦してみたいです。
人の手を感じる紙を作っていきたいです。

遠見和之 
 


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