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2006年・秋 |
美しい布たちに捧ぐ |
中村好文さんとの出会い ......by Maki Chiaki |
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今から十年くらい前の、ある日のこと。 信州松本の木工家、三谷龍二さんの家に遊びに行きました。 小さい家の入り口、床、障子、光の採りかた、木の仕事… どこもかしこも愛でたくなるような魅力、しかも心地の良いスペース… 中村好文という建築家の仕事だということでした。 「この人しかいない」、と思いました。 ちょうどその頃、私も五日市にアトリエを持とうとしていました。 それですぐに中村さんに相談しました。 中村さんはさっそく家を見に来てくれました。 古い家だったので、すぐに改装していただくことになりました。 坂を登っていくと家が見えてくるのですが、「家が見えた時に、あれが真木さんの家だ、とわかるような家にしたいね」と ― 。 かなり予算も限られていたのに、中村さんのお仕事の鮮やかだったこと。 この家に住んでもう七年も過ぎますが、年を重ねるごとに味わいがでてきて、暮らしを愉しませていただいています。 家改装の最中に急遽、青山で店を出すことになり、インドから中村さんにファックスをしたことを覚えています。 だいたい店ができるのかも半信半疑だったのに、中村さんから「できると思うよ、いい机もあるし」とすぐに返事をいただき、それならやってみようかな、と始めたわけです。 突貫工事で店ができあがり、めでたく真木テキスタイルスタジオ青山店となりました。 これも、もう七年ほど前のことです。 その頃から、「家具展をいつかやりたいね」と中村さん。 その言葉を、木霊(こだま)みたいに、いつも覚えていました。 それがついに実現することとなりました。 想像していなかったのですが、こんなに布を使ってのものになるとは。 今回の展示会用に新しく生まれてきた布や、中村さんによる新しい布づかいが、いくつもあります。 着るものでもない、今までの使われ方とはまた違う布づくりは、とても楽しく、つい頑張ってしまいました。 みなさんのご意見もおうかがいしたいと思います。 どうかこの展示会をお見逃しなく。 まきちあき |
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Maki布を使ったスツール
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蚊帳(パオ)の布
(骨組み材は写真のものと違います) |
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裁縫箱(大)
中の小箱はいろんな材でできていて、自由に組み替えられます。 |
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