MAKITEXTILEの日々好日 1996


9月9日
 9月8日朝、夜行の飛行機でインドから戻ってまいりました。
 9日は銀座松屋のディスプレーの日なのですが、さすがに疲れて行けそうにもありません。
 明後日の11日には、真木千秋が朝から松屋に出かけるつもりです。
 今回のインドのお話は、12日ころには、写真入りでお伝えできるかと思います。

9月10日
 
養沢もやっと陽が出ました。だいぶ雨が降ったのでかなりシケっていますが、インドの湿気と比べると、体感で半分くらいです。
 今日から銀座・松屋の展示会です。日誌に「真木千秋は朝から松屋にでかける」とありますが、なんだか昼過ぎころになりそうです。よろしく。
9月12日
 本日、田中ぱるばは弟子二名(すなわち真木千秋と真木香)を伴って、近くの小宮小学校に、エイサーを教えに行ってきました。エイサーというのは沖縄の太鼓踊りで、当スタジオは約三年前、スタッフ全員で本業もそっちのけにして入れ込んでいたものです。秋の運動会の出しものとしてエイサーをやりたいから、指導してもらいたいというわけです。体育の時間、4、5、6年生約30人の前で踊ってきました。ステージ用のかなりハードな振り付けなので、はたして彼らの気に入るかしらと思っていたのですが、みんなやる気になっていたみたいです。来週からは振り付けの指導です。運動会が楽しみです。(参考・養沢物語


9月13日
 
本日は青山のショップで密談を持ちました。謀議の出席者は、沖縄西表島の名物男・石垣金星、その奥さんで真木千秋の師・石垣昭子、真木テキスタイルお抱え建築家・レミー中村、ナチュラル派服飾デザイナー・真砂三千代、需要研究所長・山本眞人、そして真木千秋と田中ぱるばです。じつは今、日本の最南端、西表島で、ある興味深いプロジェクトが進行中なのです。そのプロジェクトに、なにか真木テキスタイルも巻き込まれそうな雲行きです。この件については、西表コネクションというページを別に設けて、その進行状況を刻々みなさんにお知らせしようと思いますので、請うご期待。


10月2日
 
久しぶりの好日で、今日のエイサーの練習も、本番を間近にひかえて、校庭でやりました。みんなすっかり上手になって……小学生ってのは覚えるのが早いね。(参考・養沢物語
 来週は当スタジオにとって忙しい週になりそう。6日の日曜日は小宮小学校の運動会。高学年がエイサーを踊ります。8日には伊勢神宮で喜多郎の奉納コンサート(田中ぱるばのみ)。9日には沖縄の西表島と石垣島から石垣夫妻と新城母娘を迎え、10日に青山の店で「八重山の歌と踊りの会」。翌11日からは同じく店で「スディナ展」。また同日、石垣夫妻と新城母娘を群馬県の桐生市へお連れする。そして翌日の12日、沖縄の一行は大川美術館の「美の祭典」で踊りのパーフォーマンス。それが終わると夜、僕たちアッシー君は一行を東京駅までお連れするという段取(なにかロシア民謡の「一週間の歌」を思い出す)。さて、どのような珍道中になるやら、また随時お伝えするといたしましょう。


10月6日

 今日は小宮小学校の運動会。4、5、6年生と一緒にエイサーをやりました。

 小さな小学校だから、生徒はほとんど出ずっぱり。かけっこから、応援合戦(二回)、騎馬戦や借物競争、それから運営までみんなでやっている。そんな過密スケジュールの中でも、エイサーの時はみんな気合が入って、いい踊りになりました。

 最後のカチャーシー(沖縄の阿波踊りみたいなもん)の時には、真木千秋や真木香なども校庭に乱入して、みんなで一緒に踊りました。父兄や先生たちの評判もすごくよかったみたい。

 


10月10日



 10月10日の休日、沖縄・八重山から、石垣金星・昭子夫妻、新城知子・音絵母娘をお迎えして、スディナと八重山舞踏の会を催しました。

 狭い店内のこと、始めはどうなるかとちょっと心配でしたが、やってみると、これがまた何か新鮮 なのです。
 同じ店とは思えない、なかなかおもしろい舞台となりました。


 地方(じかた)は西表の島人・石垣金星さんと奥さんの昭子さん。じつはこの企画は、現在開催中の「スディナ展」のオープニングを兼ねておこなわれたものです。
 ですから踊りの衣装はすべて、石垣昭子さんの担当したスディナでした。次々に変わる衣装を見ているだけで、楽しい夕べでした。
(写真中・衣装を解説する石垣昭子さん。金星氏は三線をチューニング)

 写真下、右側の人物が、お母さんの知子さんです。長年、八重山古典舞踊を踊り続け、現在、石垣市で「アトリエ游」という舞台を主宰しています。毎週水曜と土曜の夜ステージがありますので、当地におでかけの節はぜひ立ち寄ってみてください。

 左側が娘さんの音絵(おとえ)さんです。しばらく見ないうちにずいぶん立派な踊り手になりました。小さい頃からお母さんについて踊りを習い、今は一緒にアトリエのステージに立っています。

 さて、オフィシャルなステージがはねると、八重山恒例の無礼講です。
 ジューシ(八重山炊き込みごはん)や泡盛がふるまわれ、三線 (サンシン)をかきならし、三板(カスタネット)をたたいて、飲めや歌え、歌えや踊れの大騒ぎ……。
 南青山5丁目に突然イリオモテの出現です。さぞや近所迷惑なことだったでしょう。
 でも体育の日だから、ま、いっか。

 


11月9日

 
今日はまた青山のショップで秘密の謀議があった。出席者は建築家のレミー中村とそのスタッフ、需要研究所長の山本眞人、服飾デザイナーの真砂三千代、真木千秋・香姉妹、田中ぱるば、そして石垣金星・昭子だ。なんと金星・昭子のご両人はまた東京へ来ているのだ。(かえすがえすも残念なことではあるが、この謀議の内容は今のところ公表できない事情がある。たいへん興味あるプロジェクトなので、また折を見て当ホームページ上で発表しようと思う。それにオレは居眠りをしていて肝心なところを聞き逃したのだ)。

 なんでまた金星・昭子ご両人がまた東京にいるのかと言うと、前日、『ブルータス』という雑誌の撮影があったのだ。駒場の日本民芸館を舞台に、「友人」というような題名で、三宅一生と一緒に篠山紀信のカメラに収まったのだそうな。金星氏は当スタジオ特製の服を着て、三線なんかも披露したらしい。おかげで当日は民芸館内で黒山の人だかりができたという。この写真は『ブルータス』の新年号に載るそうだから、ぜひ買ってごらんになったら……。

 ところで今回金星氏は三線とともに愛用のマックを携えてやってきた。じつはどうしてもインターネットに接続できないのだという。沖縄の現地プロバイダーと契約はしたんだけれども、つなごうとすると「シリアルポートが何たらこうたら」というメッセージが現れてどうしようもないんだと――。それで二人で店の事務所にこもって悪戦苦闘すること二時間、ついにアップルトークがオンになっていたためだと判明した。お互いにシロウトだから困るよ。
 というわけで、金星氏のホームページ開設がまた一歩現実に近づいたということで、ひとまずはめでたしめでたし。

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