small wall museum

curator:ishida norika
※写真は徐々にupします


●used shawls
使えば使うほど肌になじむ布。何度もこの言葉をくりかえしていますが、ほんとうにそういう布が大好きで、使い込むほどに美しくなる布をつくっていきたいと思っています。ここに展示した布は、長年愛用してくださったお客さまからお借りしたストールが何枚かあります。ありがとうございます。しなやかになった布たちに再会できてうれしいです。
シャディ
透けるところと透けないところで光と影をあらわした、その名もshady。黄繭、タッサーシルク、ウール、麻。文様織も入って、しかも軽やか。渋くて華麗な、一世を風靡した布はよくDMの顔になってくれました。この茶の他に藍、オレンジ、黄なども。
コーズD
片面はallギッチャーで、もう片面はウールの顔。藍の他には黒とグレー、白があった。神戸の高井さんが布土木で見てくれたのだから、これも10年以上使ってくださったもの。真木テキスタイルスタジオで藍染めが登場した最初のころの布だ。
newデュピオン
九州の沼田さんは、「張りのあるときも、やわらかくなっても、ほれぼれとする」ほど、布をうまく使いこなしてくださいます。細い縞を渋く美しく織った、ちょっと大人っぽい布。
かすみ(霞)
田中ぱるばの命名で、和風を意識したとか。大振りのショールはコートのように暖かく身を包む。11年はたっていて、少しウールがフェルト化しているが、それが厚みになってよい。デザインは ニール・クマール。「はじめて手に入れたタッサーシルクが織り込まれた布。私がしていたのを祖母がいたく気に入り、仕事でインドに行ったときに、そのことをニールに伝えたら、帰りに『おばあさまへ』と同じものをプレゼントしてくれた。」(石田)
デュピオン藍
デュピオンシリーズの最初のもの。あのころのデュピオン(玉繭)の糸はかなりワイルドで、驚く程の迫力。表情も張りもすごかった。でもそれが時と人の手を通してこのようにやわらかに。北海道の佐良土さんより。
柞蚕糸のストール
中国の柞蚕糸を草木染めしてインドに持っていき、タッサーシルクギッチャーと織ったもの。この店が布土木という工芸品を扱う店だったときに、真木テキスタイルスタジオの展示会で出展したもの。もう10年くらいは使われている。「最初はきらきらしていて経糸の微妙な虹色。そのころよく着ていた紫色のニットワンピースに合わせました。今ではふかふかになって秋から春先まで気軽に持ち歩いてます。」(石田)
KINU
ここではめずらしく最初からしなやかな風合い。けれども決して古びないのが自慢です。
空羽
黄繭のおかげで薄く透ける布を織れるようになりました。広い幅のストールは、ふんわりと優雅に羽織ったり、たたんで首に巻いたり。
ギザギザ
麻、ウール、シルク。経に黄繭や麻を混ぜてみた最初の頃の布。
コーズB
ウールとギッチャー、モトゥカシルクの色を生かした。ちなみにデザインは真木香。はっきりとした柄行きは壁に絵のように掛けるという人も多く、また身につけるとみんな似合ったのです。
フローツ
糸を飛ばして織ると、糸はなりたい姿になる。実はこの布の経糸は一部ずれているのだけどそれがかえっておもしろくなった。ナチュラルウールのピンクの色が話題に。
デュピオン柘榴
デュピオンは少なくとも二度楽しめる素材。最初は腰があって、そのうちとろりとやわらかに。
ペルマ
その昔、厚い布が多かった真木テキスタイルスタジオでの最初の薄物で、スロー。あの腕利きの織師ワヒッドの手。
サンディ
サンプルにもある学生の頃の作品をもとに麻とタッサーシルクで。服地にもなるようにしっかりとした組織で織っている。北海道の玉田さん所蔵。北海道ではこのサンディが大人気でした。
まぼろし
おそらくもう二度と織れない幻の布。「私の持っている中ではまだまだ熟成中ですけど」と千葉の稲垣さん。それでもかなり育ててくださいました。総綾織りで厚く力強い布。
デュピオン綾
玉繭と黄繭の糸を茜とハラッドで染めて、部分的に綾織り、色のバランスで実は20種以上の見え方をつくった。「幾何学的なスクエアな感じがとてもかっこよくて、ブルーとカーキと赤のどれにしようか迷いました。デュピオンの張りがこんなにもとろりとなってほんとうに使いいいのだと実感しました。とくに綾のところがふっくらとやわらかに。とても大切な一枚。」(大村)
風の布(生葉)
神戸の坂本さんが、展示会場、入って正面にかかっていたものを見て一目惚れ。生葉の色がこっくりと出て、真木千秋もため息するほどの布となった。赤城の節糸、ムガシルク、インドネシアのアタカスも入って……。

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