1 素材探し
織物は糸から始まります。 写真右・バンガーロール郊外の村にて
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いい糸を見つけたら、しばらくの間、手元に置いて、ながめたり、なでたり、さすったりしています。必要とあれば糸染めもします。ほかの素材と合わせたらどうなるか、こんな構造にしてみたらどんな風合いが出るか、あれこれ想像します。 写真右・養沢のスタジオ
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気に入った織りサンプルができあがると、いよいよ織師さんのもとへ持って行って、本製作に入ります。織師さんといっても、今はみんなインドにいますから、すなわちインド行きを意味します。現在は年三回ほどインドに出かけます。 |
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経糸ができ、ビームに巻取ったら、それを機にかけます。これは織師の仕事です。私たちの作った縞を、一本一本まちがいのないよう綜絖(そうこう)に通し、筬(おさ)に通します。 写真右・パートナーのニルーと織りのチェック
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そうしてやっと本製作に入ります。もう何年も一緒に仕事をしている織師さんたちなので、たとえ言葉は通じなくても、こちらの希望はだいたい心得ています。でも人間ですから、ときには気が緩んで打ち込みが甘くなったりもします。だから毎日チェックは欠かせません。 写真右・織師ワヒッド
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日本は品質管理が世界で一番きびしい国です。織物だとて例外ではありません。インドでは問題にもならないようなちょっとしたキズも、日本では許されません。また日本人好みの風合いというのも、日本人にしかわかりません。そこでインドから送られてきた布はすべて、五日市の工房で入念な仕上げを施されます。 |
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