「春の布と衣」展
2003年3月18日(火)〜3月30日(日)
11:00-19:00
Maki Textile Studio, Aoyama, Tokyo

 先日、インドで作っている現場をご紹介しましたが、あの頃に織り始めたものが、できあがってきました。

 去年、草木や藍で染めて、ためておいた、様々な新しい糸を、今回、思い切って使ってみました。

 たとえば絹の座繰り糸。
 五日市のスタジオで春繭から取った糸や、上州群馬の糸、信州諏訪の糸。同じ座繰り糸でも、それぞれに違った味わいがあります。
 ゆっくり紡がれる糸だから、空気をたくさん含んでいる感じ。
 ふっくらとして、染まりも良く、素材だけ見ていても、いとおしいものです。

 インドでは、今回新しく、韓国柞蚕が加わりました。
 同じタッサー(柞蚕)でも、インドタッサーは、素朴で力強く、私のお気に入り。
 中国柞蚕(太條糸)はもっと洗練されていて、光沢もあり、丈夫。部分的に使うことで、布がより美しくなります。

 韓国柞蚕は、繊細でありながら野生の趣があります。
 柔らかいけどコシがあり、その風合いは今までのどのシルクより、さらさらしていて、きれいです。
 グレーで染めると、いぶし銀のような光沢。とても細く、まだ織師たちはおそるおそる織っています。

 それでは、出品作の一部をご覧にいれましょう。

真木千秋


空羽薄紅 あきはうすべに

五日市のビワ、西表の紅露(くーる)、インドの茜で糸を染め、空羽の技法でストールを織りました。

ピンクの様々な陰影をお楽しみください。

素材:苧麻、座繰り絹(上州)、バンガーロール絹、ムガシルク、タッサーシルク

¥40,000
生葉格子 なまばこうし

昨年の夏、藍の生葉で染めた糸を使用。緑味の少ない澄んだブルーに染まっています。

ムガシルクの黄金、タッサーの白銀とともに、Maki ではちょっと珍しい格子のストールができました。

素材:座繰り絹(五日市)、バンガーロール絹、ムガシルク、タッサーシルク

¥43,000

 くさ & ボートネック

ウネ織りという糸の縮みを利用したジャカード織のストール。詳しくはこちらを参照。
素材:バンガーロール絹、タッサーシルク
¥36,000


新しい形のタンクトップ。首のところが少しボートネックタイプで、エレガントです。
素材:タッサー草木後染め
¥14,000

プルオーバー

着た時に身頃(みごろ)がツートンになるよう、生地を織りました。
また立体感が出るよう、

仕上げにも工夫しています。

上州座繰り絹、韓国柞蚕、太條糸の組み合わせで生まれる風合いが楽しめます。

羽織 はおり

これはちょっと特別な生地です。
平織ですが、ヨコに草木で染めた様々な糸をランダムに打ち込んでいます。

スプリングコートのようにサラッと羽織ります。色は三種 ― ブルーグレー、チャコール、黄ベージュ

素材:バンガーロール絹、マルダ絹、タッサーシルク

¥46,000


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