「春の布と衣」展 |
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先日、インドで作っている現場をご紹介しましたが、あの頃に織り始めたものが、できあがってきました。 去年、草木や藍で染めて、ためておいた、様々な新しい糸を、今回、思い切って使ってみました。 たとえば絹の座繰り糸。 五日市のスタジオで春繭から取った糸や、上州群馬の糸、信州諏訪の糸。同じ座繰り糸でも、それぞれに違った味わいがあります。 ゆっくり紡がれる糸だから、空気をたくさん含んでいる感じ。 ふっくらとして、染まりも良く、素材だけ見ていても、いとおしいものです。 インドでは、今回新しく、韓国柞蚕が加わりました。 同じタッサー(柞蚕)でも、インドタッサーは、素朴で力強く、私のお気に入り。 中国柞蚕(太條糸)はもっと洗練されていて、光沢もあり、丈夫。部分的に使うことで、布がより美しくなります。 韓国柞蚕は、繊細でありながら野生の趣があります。 柔らかいけどコシがあり、その風合いは今までのどのシルクより、さらさらしていて、きれいです。 グレーで染めると、いぶし銀のような光沢。とても細く、まだ織師たちはおそるおそる織っています。 それでは、出品作の一部をご覧にいれましょう。 真木千秋 |
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空羽薄紅 あきはうすべに 五日市のビワ、西表の紅露(くーる)、インドの茜で糸を染め、空羽の技法でストールを織りました。 ピンクの様々な陰影をお楽しみください。 素材:苧麻、座繰り絹(上州)、バンガーロール絹、ムガシルク、タッサーシルク ¥40,000 |
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生葉格子 なまばこうし 昨年の夏、藍の生葉で染めた糸を使用。緑味の少ない澄んだブルーに染まっています。 ムガシルクの黄金、タッサーの白銀とともに、Maki ではちょっと珍しい格子のストールができました。 素材:座繰り絹(五日市)、バンガーロール絹、ムガシルク、タッサーシルク ¥43,000 |
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艸 くさ & ボートネック |
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プルオーバー 着た時に身頃(みごろ)がツートンになるよう、生地を織りました。 また立体感が出るよう、 仕上げにも工夫しています。 |
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羽織 はおり これはちょっと特別な生地です。 平織ですが、ヨコに草木で染めた様々な糸をランダムに打ち込んでいます。 スプリングコートのようにサラッと羽織ります。色は三種 ― ブルーグレー、チャコール、黄ベージュ 素材:バンガーロール絹、マルダ絹、タッサーシルク ¥46,000 |
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