朝、六時前に起き出す。
まだ薄暗い戸外は、妙に生暖かい。
東天に細い月を眺めつつ、養沢の谷を出発。
通常は成田まで車で直行するのだが、今回は趣向を変えて「成田エクスプレス」。
電車の旅もいいものだ。
なにより渋滞の心配がなくていい。
我がJR五日市線には、一日二本だけ東京駅直行電車がある。
今日は運良くそのうち一本に乗って、新宿まで一直線。
新宿で成田エクスプレス11号に乗り換えれば楽チン道中、のはずだった。
しかし、だ…。
これが朝の通勤時間帯。
空身(からみ)なら別に問題ないが、二人あわせて6つの手荷物、計三十キロ近く抱えている。
混雑した車内で荷物の置き場を確保するのは、なかなかの難事業である。
そして新宿駅。
みんな降りるだろうとタカをくくっていたら、そうでもない。
荷物ともども下車するには、相当の気合が必要である。
幸い日夜気合術を修練している私ぱるば、「降ろしてくれ〜!」と叫びに叫んで人混みを掻き分け、無事下車とあいなる。
それからまた、成田エクスプレスの指定席までが、かなり長い道のり。
「やっぱり車のが良い〜」と早くも弱音を吐く真木千秋であった。
そして成田到着。
空港宅配便のカウンターから別送のスーツケースを受け取る。
ついでに記念写真をパチリ。(携帯電話フォトなので不明瞭)
これも入れると八十キロを超す大荷物だ。
その半分は糸。(インド税関当局にはナイショだが)
JAL手荷物チェックのお兄さんに、「ご住職ですか?」と聞かれる。
昨日、きれいサッパリ丸刈りにして、藍染の作務衣を着用。
「ええ、そのようなもんです」と真木千秋が応える。
インドだと武道マスターに見られるのだが。
飛行機はJALの471便。
機材は最新のボーイング777。
こんなに快適でいいのかしら…っていうくらい快適な九時間余のフライトの後、デリー到着。
午後五時で、気温は28度とのこと。
う〜ん、やっぱり南国だ。
(成田空港との服装の違いに注目)
空港にはニルー姉御が出迎えに。
髪の毛をバッサリ切って、思い切り若返っている。
聞けば先日、銀婚式を迎えたところだという。
というわけで、まずは無事到着のお知らせまで。
|