2003年から2004年にかけての作品を幾つかご紹介。
(それ以前のものについてはこちらを参照)



スペース・ダイ (2004.8.26記)

 

 スペース・ダイとは、緯絣(よこがすり)の技法。
 つまり、糸を染め分け、それをヨコ糸にして色に変化を出す。
 これは今年の一月にインドで仕掛けたものだ。
 そのときの様子は、India 2004の冒頭に詳しい。

 上記のページ内、真木香が嬉しそうに掲げているのが、そのサンプル作。
 織師も初めてなので、果たして織れるのかどうか試してみたのだ。
 その具合を見つつ、本製作に入る。

 初めてなのは織師のみならず、染師もだった。
 それで真木香も、一緒にヒモをかけ、一緒に染めるのである。

 本番では、タテ糸にも藍をかけたり、グレー部分をザクロからチャップフラワーに変えるなど、工夫を凝らす。
 その甲斐あって、イカット(絣)の部分がよりクリアに出るようになった。
 織師は工房随一の名手、シャザッド

 その第一作が、ようやく今月届いた。
 それを手にした真木香の印象は、「すごいキレイ、思ったよりキレイ」 … 。
 水を通し、風合い出しをして撮った写真がこれである。
 写真の作はタテに半分、絣のかかったもの。
 そのほかに、ジグザグのもの、プレーンのものの、三種類がある。
 赤城の節糸のほか、ムガシルク、タッサーシルクなど、何種類もの絹糸を使用。

 サイズは約65cm × 200cm。
 価格は未定だが、手が掛かっているので相応のものとなるはず。

 残念ながら、今しばらくは店頭に並ばないらしい。
 12月10日からMaki 青山店で開催の「真木香展」が初お目見えとなる模様。





ブラウス、パンツ & 手拭い (2004.8.18記)

 

今年の春から夏にかけてできたものから、三点ほど御紹介。

まずはブラウス。
首元のあきが小さめで、すっきりと羽織れる。
前合わせが、首から裾にむかって斜めに。
ボタンはグンディ(くるみボタン)。
グンディを留めるループが糸なので、着用したときスマートな感じ。
綿×タッサーシルク
\34,650
頭に巻いているのは麻の手拭い。
モックリノ(擬紗)織り。
色は、白、生成、グレー、ライトグリーン。
麻100%。織師:タヒール
\2,730
下は「ゆったりパンツ」。
タッサーシルクのほか、様々な絹糸、そして麻を使い、インド藍で染めている。
ゆったりしていて、シルエットがきれい。
登場は9月下旬より。
絹95%。織師:ワヒッド
\35,700

ところで、今回のモデルは真木千秋の従弟・眞平であるが、このブラウスとパンツはあくまでも女物。(前合わせも右前である)
つまり、貴女が買うとダンナも着られるということ。(その逆も真なり)





ミュージアムピース・2004春のコレクション (2004.2.3記)

 

 ストールではないが、今回のインド滞在で特に力を入れたのが、ミュージアムピースを使った衣。
 今日はそのご紹介。
 ミュージアムピースというのは、オーガンジー風の手織生絹。玉糸を織り込んでいるのが特長だ。
 それを沖縄西表、五日市、およびインドで草木染めし、専属テーラーたちが仕上げたもの。
 今回は新デザイン三点を含む、六種類。
 色も六色。
 明後日(2/5)、青山店にお目見えする予定。
ベスト

左)メヘンディで染めたもの。

右)数種の布を縫い合わせてつくったもの。

\36,000
コート

春、軽やかに羽織れるコート。
えり裏に違うデザインの生地をつけて布使いを楽しむ。
メヘンディ染め

\50,000
タックジャケット

アカメガシワで染めたもの。

\40,000
バイアスプルオーバー

ビワで染めたもの。

\29,000
スディナ

おなじみ八重山の衣。コートにも。
アカメガシワ染め。

\120,000
ブラウス

たっぷりとかぶるブラウスに、少しハイネックの襟。
左)メヘンディ染め
右)アカメガシワ染め
下)後ろ側。くるみボタンを少し下につけて着やすく。

\40,000(西表染め)
\38,000(その他)


枯れ野 (2003.12.6記)

 

 真木香が秋のインドでつくった三作のうちひとつ。
 (ひとつは一番下に掲載の「ジャカード格子」。もうひとつは未掲載)

 これもジャカード(紋織り)機で織ったものだが、「ジャカード格子」とは対照的な作だ。
 「ジャカード格子」は前もって八ヶ岳の自宅スタジオで試織していたが、この「枯れ野」は色のイメージだけ抱いて、インドへと旅立った。

 そのイメージに添って、まずタテ糸を考える。
 インドの工房に、グレーやベージュに染めた「バンガロール生糸」がたくさんあったので、それを使うことにする。
 ハラッドやメヘンディ、ザクロといったインドの植物で染めたものだ。
 何十色もの糸を、タテ糸職人パシウジャマとともに丹念に拾い、縦縞のグラデーションをつくる。
 ついでヨコ糸。
 ジャカード機だから、まずは紋紙が必要だ。
 紋紙職人のアスラフに五パターンほど作ってもらい、試織の後、最終的な紋紙を作製する。

 その紋紙を使い、今度はヨコ糸を様々に変えながら試織。
 そうして最終的なデザインを決める。
 その設計図に従って、ジャカードの名手ナイームが糸を入れる。
 下写真に見えるような細かな地模様が、ジャカード機によって織り出される。

 ナイームもだいぶ気に入っていたらしい。
 一枚織り上げるごとに、誇らしげに、遠い機場から歩いて見せに来たという。
 「人間業じゃないみたい」(真木千秋…ちょっと大げさ!?)な仕上がり。

 グレー系とベージュ系の二色。
 各色に三パターン。都合、微妙に異なる六種がある。
 「久々の薄地のヒット」(真木香)なのだと。
 命名は真木香。「枯れ野」色という色があるのだそうだ。
 ¥38000



もこもこ (2003.11.29記)

 

 読んで字のごとく、糸がもこもこしている織物。
 これも最近できあがってきた秋冬物ストールだ。

 どうして、もこもこしているのか。
 タネあかしすると、ヨコ糸を浮かして織っているから。
 織り上がった後で、その浮かした部分を切り、縮絨(しゅくじゅう)をかけるのだ。

 そうした作業により、一枚のストールの中に、もこもこした部分と、薄く透けている部分ができる。
 それで軽くて暖かい。
 透けている部分の、糸のヨロケ具合もおもしろい。

 写真には二枚並んでいるが、どちらも同じタテ糸から織ったもの。
 ヨコ糸で変化を出している。
 右の写真、上側はナーシ絹をヨコ糸にして浮かせている。
 下側はナチュラルウールを浮かせている。
 織り方によって、もこもこがストライプになったり、リボン状になったり、自由自在だ。

 タテ糸はインドの黄繭糸や生糸。
 ザクロやハラッド(インドの木の実)で染めている。

 色のバリエーションも大きく分けて二種類。
 写真は茶系だが、ほかにベージュ系がある。
 織師はタヒール

 この「タヒール」をクリックすると、今年四月、本作をつくるため真木千秋が若い織師タヒールを相手に、髪の毛を振り乱し悪戦苦闘している様子がうかがえる。
 4月17日の項。「ニューふわふわ」と呼ばれているのがそれ。
 次いで翌4月18日の写真には、この「もこもこ」のベージュ系が、生機(きばた…機から下ろしたて)の状態で写っている。
 これにハサミを入れ、縮絨して仕上げるのだ。(仕上げによってこうも表情が変わるのかと驚かれるであろう)
 ¥34,000





ジャカード格子 (2003.11.7記)

 

 今年九月、インドでつくってきた秋冬物ストール。
 デザインは真木香。

 ナチュラルな色を中心に、様々なシルクおよびウール糸を使う。
 よく見ると、糸の色も様々だ。

 ヨコ糸に上質のモトゥカ絹およびナーシ絹を多目に用いることによって、冬にも暖かいようにふっくら感を出す。
 (もっと言うと、収縮性のナーシ絹をモトゥカ絹の間に打ち込み、縮絨させることによって、波打つような表情が生まれる。)

 タテに使われる糸もそれぞれ太さが異なり、微妙な縞が現れる。
 また、たとえば中国柞蚕糸がスッと入っていたりして、陰影を醸し出している。
 一見、平織風だが、ジャカード(紋織り)機で手織。
 格子の中に小さく柄が入っている。
 織師:ワジッド

 左写真は八ヶ岳山麓かぶらの森スタジオで写したもの。

 真木香は「冬凪」とか「淡雪」といった名前を考えていたようだが、結局、表題のような色気ないネーミングに…。
 ¥36,000



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