The Galleries
Do-Ma(鹿児島)
県都鹿児島市の北東、錦江湾に面した歴史の街、加治木(かじき)。
絶景ライン・JR日豊本線の加治木駅から徒歩五分。嶋津氏旧居跡の前に静かに佇むギャラリーDo-Ma。
これは「ドーマ」と読むのだが、土間にちなむのだそうな。
オーナーである新納(にいろ)氏は、かつて薩摩藩主・嶋津氏の筆頭家老を務めていたという、世が世なればのおウチなのだ。
広々とした敷地に足を踏み入れると、まず屋敷の脇にある巨木に目が行く。コガネモチという常緑樹で、九州で八番目に大きいという。緑の中に赤い実が生っていた。
明治41年(1908年)に建てられた木造平屋住宅の半分が、ギャラリースペースとして使われている。
ギャラリーのオープンが約三年前の2009年初頭。Makiの展示会は今回(2011年秋)で三度目だ。写真・入口前に立っておられるのが新納さんご夫妻。なんとなく「武家の商法」的おっとりムードが、店の古風なたたずまいにマッチしている。
遠来のお客が奥のダイニングでご飯を御馳走になったりとか、そのゆる〜い「てげてげ(大概)」加減がいい。
年数回の展示会のみ。常設はない。
(2011/11/14記)
姶良市加治木町仮屋町 81 TEL 099-555-7077 地図はこちら
カワモト(富山)
越中富山の県都・富山市。東方には雄大な北アルプスが屏風のように峰を連ねる。
市の中心・富山城址から南に延びる千石町通り商店街。
昆布店、茶舗、法衣店、骨董店など、いかにも歴史を感じさせる老舗が軒を連ねる。
その一画にあるのが、ここアートスペース・カワモト。
オーナーの河本直子さんがひとりで取り仕切る。(写真中の人物)
もともとは家業である家具設計の事務所だったが、その跡地を改装し、ギャラリーとしてオープン。今から22年前、平成元年のこと。
その後、あるガラス工芸家を通じてMakiとのご縁ができる。
初めてのMaki展示会が2001年。爾来、1〜2年に一度、展示会をお願いしている。
ここ富山市は真木千秋にとって、とりわけ縁の深い土地柄だ。いわゆる生誕の地。
四十有余年前、両親・真木夫妻が富山市在住の折、長女千秋が世に顕れたというわけ。当時の住まいもここカワモトから目と鼻の先だったというから、こちらとのご縁もかなりのものだ。
常設展示はなく、毎月一度ほどの企画展のみ。
(2010/5/8記)
富山市千石町 1-4-5 TEL 076-491-6763 HPはこちら
サマサマ(奈良)
あおによし奈良の都には「奈良町」と呼ばれる地区がある。奈良公園の西側にあって、古い奈良の街の風情をよく残した一画だ。かつては大和の大寺・元興寺の境内だったという。
その中心部にあるのが「サマサマ」。築二百年の町屋がギャラリーになっている。オーナーである今来(こんらい)準子さんの実家だ。
かつては間口によって課税されたということで、奈良の町屋は間口が狭く、奥に長い作りになっている。この辺も見学できて面白い。
二階建てで、一階が常設、二階が展示会スペースだ。縁者の今来朋子(ともこ)さんと二人で店を切り盛りする。
サマサマとはインドネシア語で「お互いさま」という意味らしい。もともと東南アジアの工芸雑貨を扱う店として1993年にオープン。現在は「アクセサリーと布」の店になっている。
Makiとのつきあいももう15年近くになり、展示会も十余度を数える。
写真はMaki展示会の様子。座っているのは準子さん。展示会以外に、Makiのストールや服を常設展示。
奈良町かいわいには洒落たShopや飲食店が軒を連ね、歩き回るだけでも楽しい。
(2009/11/20記)
奈良市中新屋町 8 TEL 0742-27-2763 地図はこちら
梅鳳堂・札幌店 (札幌)
※2018年より中央区南1条西24丁目1 - 11 LEADビル2Fに移転。
TEL011-616-4077 HPはこちら
以下は10年前の記事。スタッフの皆さんも元気でご活躍の様子
× × ×
北の都・札幌。その中心部にある「サッポロファクトリーレンガ館」の二階にあるギャラリー。
古くから民芸などを扱っている梅鳳堂の札幌店だ。
梅鳳堂の本店は旭川にあり、Makiとは最もおつきあいの長いギャラリーのひとつだ。
この札幌店がオープンしたのは今から15年前。
サッポロファクトリーとはサッポロビール工場の跡地を利用したショッピングモールで、壁面のレンガが印象的だ。
佐良土(さろうど)さんと玉田さんという開店当初からのベテランを含め6人のスタッフが店頭に立つ。
梅鳳堂では毎年春と秋にMakiの展示会が開催されるので、ここ札幌店ではもう三十回もMaki展が行われたことになる。佐良土さん(写真の人物)など展示会ごとに自ら買い求めているそうで、その数五十点にのぼるという。まさに身をもってMakiの作品に精通。まことに心強い。
展示会のほか、Makiのストールや衣の常設もしている。
(2009/11/4記)
はじめギャラリー (熊本)
熊本城から東に4km少々。水前寺公園にほど近い閑静な住宅街。
三階建ての建物の二階に昇ると、小さな空中庭園が現れる。
ここがはじめギャラリー。
大森さん一家が運営している。
「はじめ」というのは大森の「大」にちなむ。(人名で「はじめ」と読むらしい)
ご主人の孝純さんは、階下で長らくデザイン&設計事務所を営む。
四年ほど前に念願かなって、ここにギャラリーを開設。
もちろん、設計や内装は自社で手懸けたものだ。
現在、奥方の洋子さん、娘の麻さんが店頭に立つ。
情報の発信地として、既成の枠にとらわれないギャラリー展開をしていきたいと孝純さん。
この秋には三度目のMaki展示会を開催予定。
企画展のほか、陶磁器や木工などの常設もある。
奥にはカフェスペースも。
(2009/7/13記)
熊本市錦ヶ丘17-5 2F TEL 096-365-0363 HPはこちら
芭蕉 (弘前)
津軽の都・弘前(ひろさき・青森県)。
ギャラリー芭蕉は、駅南口から歩いて数分のところにある。
もともとは懐石などを供する料理店だったが、四年ほど前からギャラリーに転身。
女主人の成田和子(写真左側)さんは、十年以上も前からMakiの布を愛好。東京に来るたびにMaki青山店に立ち寄っていた。
この芭蕉、かつては素材を大事にする料理店だったということで、その姿勢はMakiに通じるところがあるかも。
現在は娘の大平陽子さん(写真右側)とともにギャラリーを切り盛りする。
Makiの展示会は現在までに四回を数える。
通常は、陶器、ニット、漆器、アクセサリーなどを常設している。Makiのものも少々あり。
カフェも併設されている。
弘前と言ったら、弘前城の桜、夏のねぷた、津軽三味線。そして最近は奇跡のリンゴスープもお勧め。
(2009/6/7記)
青森県弘前市外崎 1-3-1 TEL 0172-27-0033 HPはこちら
梵天 (熊谷)
熊谷直実(くまがいなおざね)で名高い埼玉県の熊谷市。ここはまた毎夏、全国でも最高の気温を記録することで有名だ。なんでもここの住民はテレビの天気情報で他地域のほうが高温を記録すると悔しがるという。
駅から徒歩五分、星川のせせらぎに沿った星川通りの一角にある「梵天」。
Makiとはおつきあいの一番古いギャラリーのひとつだ。1993年にこの場所にオープンし、94年には早くも第一回のMaki展を開催している。爾来、今日までに十回ほども展示会をしてもらっているだろうか。
オーナーは高橋良至&浩子夫婦。写真の人物・良至さんはもともとオーダーで服を作る人で、その道二十有余年。
梵天(ぼんてん)という名でもわかる通り、インド大好きカップルだ。
今でも年に一度は二人でインドに出かけるという。十三年前には浩子さんが妊娠八ヶ月の体でインドに出かけ、周囲を驚かす。
良至さんの服、浩子さんのアクセサリーほか、布、カゴ、雑貨などアジア物を中心に多彩な品揃え。
同じビル階下にはインド料理店も。
(2009/3/29記)
埼玉県熊谷市星川 2-7-1 TEL 048-522-7940 地図はこちら
アトリエKei (新宮)
名古屋から特急南紀で約3時間。紀伊半島南部、熊野三山のひとつ新宮のお膝元。
新宮駅から歩いて10分ほどのところにある洋館風の建物だ。
その二階がアトリエKei。
もともとはオーナーの仲田恵子さんが服を縫製するためのオーダールームとしてスタート。
ここ新宮はバティックを服にして着る人が多く、仲田さんがその縫製をしていたのだ。
現在の建物がオープンしたのは十年ほど前。現在は年に六回ほどの展示会のほかは、通常、オーダールームとして機能している。
Makiとのおつきあいも長く、展示会は2000年以降、毎年のように開催。
少量ではあるが、ストールやインテリア製品、生地などMaki布の常設もある。
ご主人の拙雄氏は熊野の歴史に造詣も深い。
熊野詣でがてら訪ねてみたら如何?
(2007/12/1記)
和歌山県新宮市千穂 3-7-27 TEL 0735-22-3146 地図はこちら
ぶどうのたね (福岡)
博多から車で一時間弱、福岡県中部「うきは市」。
もともとは博多で呉服商「田中屋」を営んでいた田中家が、十数年前、故郷のここ「うきは」に活動の場を移す。
かつて巨峰の畑があった場所なので、その名も「ぶどうのたね」。
遙かに筑後平野を見下ろす高台に、幾つかの建物が点在する。
「ギャラリーぶどうのたね」には若手作家を中心とする手工芸作品を常設展示。その並び、カフェ「たねの隣」ではランチが楽しめる。一段下に、和菓子の「ぶどう屋」、展示スペース「たねの下ん段」、呉服「田中屋」が並ぶ。(写真は「たねの隣」テラスから「たねの下ん段」を望む)
土壁も床しい「田中屋」には綿薩摩や能登上布など各地の伝統的名品が収まるが、中でも手紡ぎ草木染め地機による「結城」微塵格子は見事。
地元福岡を始め周辺各県からのアクセスも良く、新たな北部九州必見スポット出現か。
主(あるじ)田中博史・あかね夫妻の馴れ初めも、かつて大阪の呉服商「はしづめ」で共に修業中のことだったというから、これもMakiとは浅からぬ因縁である。(2007/11/13記)
福岡県うきは市浮羽町流川428 TEL 0943-77-8667 HPはこちら
雅趣Kujira (刈谷)
名古屋から東南に約20km。名鉄「刈谷市」駅のすぐ近く。(JR「刈谷」駅ではない)。こんなところに…と思えるような一画に忽然と現れるギャラリー。
かつては裕福な商人の隠居場だったという。贅を尽くした大正期の建物だ。たとえばその座敷は天井まで総漆塗り。これだけでも見る価値はある。
自身がガラス作家であるオーナー長谷川雅昭さんが一年かけて漆を磨きあげ、ギャラリーとしてオープンしたのが今から7年前のこと。
清水由紀子さんと二人で運営し、Makiの展示会は今秋で二度目になる。
「がしゅ・くじら」と読む。くじらという名前の由来は、深海を粛々と移動するくじらのごとくゆったりとくつろいでいただきたいとの気持ちからだそう。
長谷川さんの手になるこだわりのコーヒーとチーズケーキもお勧め。コーヒー苦手人間の私(ぱるば)も、アイスのブラックコーヒーがお茶の感覚でぜんぶ飲めてしまった。長谷川さん作のガラス器で出してくれる。
(2007/9/20記)
愛知県刈谷市御幸町 1-301 TEL 0566-25-9337 HPはこちら
花かぶき (広島)
広島駅から歩いて十分少々。
広島城と縮景園に挟まれた静かな一画にたたずもギャラリー、花かぶき。
名前の由来は、「花」と「かぶく(遊ぶ)」。
店主・山本佳代さんが、かつてフラワーデザインの仕事をしていたからだ。
ギャラリーを始めたのが昭和の最後というから、かれこれ二十年前。
三年前に現在地に移転する。
より広くなって店内には、陶器や木器、布ものやアクセサリーなどが常設されている。
企画展も年に数回開催。
Makiとのご縁は十年ほど前からで、今まで展示会を五回ほどお願いしている。
広島というとカキが名産。冬になるとここ花かぶきからゴッソリ送られてくる。ただインドに行っていることが多く、あまり口に入らないのが残念。
(2007/7/13記)
広島市中区八丁堀 4-27 上八丁堀ビル1F TEL 082-222-4856 地図はこちら
トアロード・リビングスギャラリー (神戸)
JR元町駅から徒歩十分。お洒落で閑静な山の手に息づくギャラリー。
1992年トアロード添いに誕生し、震災後、現在地に移転する。
Maki とは1999年からのおつきあいだ。
広い窓から陽の差す40坪の店内には「大人の雑貨」が並ぶ。
三谷龍二の木工小品、李英才の陶皿、真砂三千代の綿肌着、北欧の調理器や食器、ジュエリー、オリーブ油など食品…。
「ギャラリーというより、暮らしの中の良いもの美しいものを紹介する店にしたい」とオーナー高井安子さん。
店内の一角にはMaki の常設コーナーがあり、ストールや衣、インテリア布などが展示されている。
ギャラリーの傍らには、高井さんのお眼鏡に適ったイタリアンおよび和食の店が入居し、建物全体で衣食住の面倒を見てくれる。
近所には竹中大工道具館や北野の異人館など見所も多い。
(2007/2/7記)
神戸市中央区中山手通 4-16-14 TEL 078-230-6685 HPはこちら
絹や (徳島)
JR徳島駅から徒歩五分という交通至便な場所にある呉服屋さん。
もともとは呉服の問屋をしていたが、十年ほど前から当地に移り小売りを始めたという。
一階と二階がそれぞれ五十畳ほどもある、ゆったりした店内。
前橋の呉服店「にしお」のご縁で知り合い、もう五年ほどのおつきあいになる。
展示会は今回で三度目。二階をそっくり使ったゆとりのスペースだ。
阿波徳島と言えば、藍の産地。
五年ほど前には、絹や店主・山田明弘さんのご紹介で徳島の「すくも」を一俵購入する。
それを使って藍建てしたことはこちらに詳しい。
まだすくもは半分以上残っているので、今年こそは再び藍建てにチャレンジしたいと思う。
この近所で穫れるサツマイモ「鳴門金時」はウマい!
(2007/2/4記)
徳島市寺島本町西 2-35-1 TEL 088-622-1745 HPはこちら
絣Shop西田 (新潟)
新潟市から東に20km。白鳥で有名な瓢湖のすぐ近くにある「かすりしょっぷにしだ」。
もともとは呉服屋さんだったが、五年ほど前から呉服部門をぐっと縮小し、絣を扱うようになる。久留米絣を洋服に仕立てて販売している。
店の一角にはカフェがあり、旦那の謙也氏がコーヒーを淹れる。
また別の一角は自然派の雑貨コーナーとなり、石鹸や草鞋、醤油などが並ぶ。
二階のスペースは整体や体操教室などに使われている。
不思議にくつろぐ空間。
入店すると用もないのについ長居してしまう。
奥方の令子さん手書きの「つぎはぎ通信」(月刊)がユニーク。
写真は西田夫婦。
(2007/1/22記)
阿賀野市中央町 2-10-10 TEL 0250-62-2293 HPはこちら
風と木 (福島)
「ふうとぼく」と読む。
東北新幹線・福島駅から約2km。阿武隈川の対岸にある。
Maki とのつきあいも十数年におよぶ馴染みのお店。
母屋の続きにギャラリーとカフェがある。
切り盛りするのは、丹治智恵子さんとその子供たち、そして数人のスタッフ。
ギャラリースペースでは、Makiを始め、年に何度か企画展がある。
また貸しギャラリーとしても営業。
カフェでは、玄米と有機野菜をベースとした食事を供する。
私は「玄気膳」と呼ばれる和食セットを注文。玄米+一汁多菜で、ヘルシーかつ満足度が高い。長女の焼くケーキも美味。
常設スペースも併設され、陶器など小物が置かれている。
赤々と燃える薪ストーブが嬉しい。
(2006/3/20記)
福島市渡利番匠町 56-2 TEL 024-523-3088 ホームページはこちら
佗助 (藤枝)
東海道は藤枝の宿。今は東海道本線・静岡駅から西に五つ目だ。
駅前の大通りを6〜7分歩いたところにある民家風のギャラリー、佗助(わびすけ)。
女主人の瀧田さんは相当に趣味の凝った方であるらしい。
扱う作家の数も片手で数えられるほど。
布物では安藤明子さんと当スタジオ。
そのほか御自身でも古布を使って衣づくりを手がける。
もともとは、削り節など海産物を商う家だったという。
陶芸への関心が高じ、建て替えを機にギャラリー専門に。
オリジナルの乾物店を模して作られた現在の建物は、奥に囲炉裏なども切ってあり、往時の面影をしのばせる。
小さなカフェも併設され、お客さんはゆっくりくつろぎながら品定め。
Makiの作品は、展示会のほか、ストールや衣などが常設されている。
(2005/11/8記)
静岡県藤枝市青木 1-8-29 TEL 054-641-0609 地図はこちら
閑居 (奈良) (※ 2011年、奈良市から生駒市へ移転)
奈良市内。近鉄奈良線「学園前」からすぐ。
(学園というのは帝塚山学園というお嬢様学校であるらしい)。
大阪や京都から三十分前後の便利な立地だ。
吉田さん(写真左)と田中さん(写真右)という仲良し姉妹が切り盛りしている。
お姉さんは元気、妹さんは優しい感じ。(どっかの姉妹みたい)
ここに店を構えて五年目。
常設はしておらず、月に二回、好きな作家の展示会をしている。
衣料が中心で、afa、Sind、Mon Sakata、瀧澤久仁子、安藤明子など、お馴染みの名前が並ぶ。
当スタジオの展示会も、年に2〜3回開催している。
ご覧の通り、姉妹そろってMaki布の愛好者。
「Makiさんの展示会なら毎月でもやりたいっ!」とのたまっておられたから、そのうちそういうことにもなるかも。
05年秋の展示会は11/2-11/12。
古都の散策がてら立ち寄ってみたい。
(2005/10/15記)
生駒市東松ヶ丘7-33 TEL 0743-73-3388 ホームページはこちら
梅屋 (福岡)
最も古くからおつきあいのあるギャラリーのひとつ。
当スタジオの展示会も、もう何度催しているかわからないほど。
店長は梅崎枝見子さん。
福岡市早良区の藤崎に店を開いたのが二十年くらい前とのことで、クラフトの店としては草分け的存在であろう。
五年ほど前に、同じ区内の当地、石釜地区に移転。
同じ早良区と言っても、繁華な藤崎とは対照的な山里である。
博多から佐賀へ向かう国道263号沿いにあって、市心から約15km。
ここ石釜は、近年、豆腐で有名になったのだそうな。
美味い豆腐屋が二軒あって、土日には交通整理のガードマンまで出るほどの盛況だという。
車のない人はバスで行くんだけども、一番便利なのは、博多駅・博多口の福岡交通センターから出る昭和バスの「野河内行き」。
本数が少ないので、前もって梅屋に電話して時間を聞いておくといい。
ローカルなバスの旅も楽しいものだ。
「中石釜」の停留所で降りると、すぐ隣が、例の豆腐屋のひとつ。
看板はエグイんだけど、味は折紙付きである。
そこから数分、坂道を登ると、梅屋が現れる。
杉林や果樹園に囲まれた、のどかな別世界だ。
傍らを流れるせせらぎには、クレソンとかセリが繁っている。
ギャラリーの中に入ると、そこには、三谷龍二や山口和宏の木器、赤木明登の漆器など。
年に数回、企画展も催される。
都会の喧噪を逃れるには最適な空間であろう。(旦那さんは整体の先生である)。
今年(2004)11月に当スタジオ展示会が予定されているので、近在のみなさんはぜひどうぞ。
ホームページはこちら。 (2004/4/17記)
福岡市早良区石釜 870-1 TEL 09-2872-8590 月曜休 11:00-18:00
うつわ菜の花 (小田原)
小田原駅から徒歩15分。国道一号線沿いにあるギャラリー「うつわ菜の花」。
ここは、かの和菓子店「菜の花」のギャラリーである。
「菜の花」というと、小田原駅前および箱根湯本駅前の店舗が有名だが、もともとはここが本家。
15年ほど前、中村好文氏の設計により、中庭付きの和菓子屋&住居として建てられた。
それが5年ほど前、ギャラリーとして再オープン。
常設のほか、毎月二度ほど企画展が開かれる。
展示会予定表には、赤木明登、mon Sakata、黒田泰蔵、角偉三郎など、当スタジオと縁の深い名前が並ぶ。
店内の壁および天井にはネパールの「和紙」が張られ、やわらかな雰囲気。
写真は当スタジオ展示会時の模様だが、この奥に小さな中庭があり、その先に和室の展示スペースがある。
ところで、こちらの和菓子はうまい。
前々からそう思っていたが、さっき「どら焼き」をひとつ頂戴して再認識した。(わりとすぐ買収される!?)
新宿から小田急線に乗って遠足する価値はある。小田原駅前店および箱根湯本駅前店ともに、二階に喫茶スペースがあるから、お試しになるといい。
ホームページはこちら。 (2003/3/21記)
小田原市南町 1-3-12 TEL 0465-24-4046 水曜休 11:00-18:00
ギャルリももぐさ (多治見)
焼き物の里・岐阜県多治見の山中に、四年ほど前、忽然と現れたギャラリー。
陶工・安藤雅信さんと、衣作家・明子さんの夫妻がやっている。
千三百坪ほどの敷地に、百年前の古民家を移築。
もともとは名古屋市内にあった、庄屋で医家だったという。
土間や、縁側、座敷、仏間、二階の小部屋など、じつに趣ある家である。
家まわりも瀟洒に整備され、周囲の緑とあいまって、たいそう気持ちのいい空間を形づくっている。(今日が秋晴れだったせいかな!?)
私のお気に入りは、家の西南角にある茶室。
茶人でもある雅信氏に一度茶をたててもらったことがあるが、まことに結構なお点前であった。
そういえばこの雅信氏は若きみぎり、知り合ったばかりの明子さんを後に残して遠く天竺に旅立ってしまったという、どこかの誰かを彷彿とさせる話もある。
ここで2002年11月、Makiと明子さんとの、二度目のコラボレーション展が開催される。その様子はこちら。
平生は、雅信氏の陶器のほか、ももぐさと縁のある様々な作家たちの作品を展示している。
カフェも併設され、ランチや飲み物もいただける。(今日のメニューはひよこ豆のカレーと豆乳ヨーグルト)
多治見の駅からちょっと離れているが、来るだけの価値あることは私ぱるばが保証!
(ま、私が保証しなくたってつとに有名なんだけどね) (2002/11/16記)
ホームページはこちら。
多治見市東栄町 2-8-16 TEL 0572-21-3368 水曜休 11:00-18:00
ギャラリーわいち (輪島)おそらく当スタジオから一番遠いギャラリーではないかと思われる、奥能登は輪島にあるお店。 (door to door で八時間!)
輪島というと朝市が有名だが、この「わいち」はその朝市の通りに連なる「わいち通り」に位置している。
もともと漆器屋さんだったという建物を改装し、三年前に店開きをした。
このギャラリー、オーナーがユニークなのである。
すなわち、輪島の漆職人十人ほどが共同で経営しているのだ。
木地師、塗師、蒔絵師といった面々だが、「伝統工芸・輪島塗」とはひと味違ったモノづくりを志しての店開きである。
その中には、当スタジオお馴染みの赤木アキト氏もいる。
通常は彼らの作品を展示販売しているので、当地を訪れる際はぜひ立ち寄ってみたい。
「うるしはともだち」という看板のもと、気軽に使える日常雑器としての漆器を提案している。
たま〜に企画展も開かれるようで、今回(2002年秋)は、当スタジオ二度目の展示会。
なお「ギャラリーわいち」はこの建物の右半分。
左半分は「うつわ・わいち」といって、別のお店。
こちらには、陶器、ガラス、漆器などの器モノのほか、当スタジオの布も常時展示されている。 (2002/10/4記)
輪島市河井町わいち4部42 TEL 0768-23-8601 月曜休 10:00-17:00
にしお (前橋)上州群馬の県都・前橋。その閑静な文教地区にたたずむ呉服屋さんが、ここ「にしお」。
「こころにふれる創作きもの」という言葉通り、店主・西尾仁志さんは、新たな和装の可能性を熱心に追い求めている。キモノ好きの方にはぜひ訪ねてもらいたい場所だ。
昨日展示会で訪れた私ぱるばも、愛用のキモノを持参し、さっそく奥さんに着付けしてもらう。襦袢など下着のつけ方、帯の締め方など、いろいろ参考になる。
それから真木千秋と協議の末、当スタジオの布を使ったおもしろいものを何点か注文。すなわち、カルザイ議長風ハオリ、長襦袢代わりの簡便な「うそつき襦袢」、およびセッタ風ゲタの鼻緒。いずれも同店オリジナルである。これらは間に合えば今週金曜(5月24日)からの真木雅子展にて御披露いたす所存。(ヒマな人は見に来てください)
この西尾さんを通じて、真木千秋は「赤城の節糸」の引き方を習ってきた。今この糸は現在、様々なストールや生地などの作製に欠くことのできない素材となっているのである。(我が愛用のキモノにも使われている)
写真は現在開催されている当スタジオの展示会風景(〜21日)。「にしお」の二階が六十畳ほどの広々としたギャラリースペースになっている。
このスペースを利用して、展示会のみならず、狂言、琵琶、落語など、様々な古典芸能の公演が催される。当スタジオおなじみの八重山舞踊・新城母娘もこちらで舞っている。
年に二度ほど立派な通信誌が発行されているので、興味ある人は連絡してみるといいだろう。 (2002/5/19記)
前橋市日吉町 3-1-15 TEL 027-235-5510 日曜休 9:00-19:00
Galleryたなか (八戸)本州最北端は青森県・八戸市。
元・大庄屋だった田中家。絵に描いたような旧家である。
三千坪の敷地・庭園内には、トド松やイチイ、高野マキや栗などの大木が杜をなす。この栗の根本には毎年マイタケが山のように生えるそうで、今秋は拙宅にも送ってもらえることになっている。(すなわち根っこに寄生する菌類というわけで、栗にとっては水虫みたいなものか!?)
明治二十年代に建て替えられたという豪壮な屋敷には、自家の山から切り出されたケヤキ材がふんだんに使われている。
昔の住宅は、襖を取り外すと、大きな広間が出現する。今回の展示会も、屋敷の一部を開放し、タタミ54畳+板の間&縁側という、かつてないゆったりした空間の中で展開された。(内部の模様はこちら)
写真には写っていないが、この屋根の上には「火の見櫓」が設けられ、かつてはそこから見渡す限りの土地が当家の地所だったそうな。(う〜ん、別世界チックな話…)
今年冬には東北新幹線も八戸まで伸びるし、ぜひ一度は足を伸ばしてみたいギャラリーである。 (2002/5/11記)
(田中家) 三戸郡南部町福田間ノ原5-1 TEL 0178-84-2520
而今禾 (三重・関)「じこんか」と読む。オーナーで陶芸家でもある米田恭子さんの命名だ。
「而今」とは「いまこのとき」、「禾」とは「穀類」を表すということで、それを合わせて「そのときどきの糧」、なんだそうな。
彼女とその夫君ヒロ氏とは、東京・玉川高島屋の名物企画『現代の道具展』などでも御一緒する仲である。この二人の間には「ゆめの」ちゃんという誰に似たのかわからない愛くるしい娘がいるのだが、私にはぜんぜんなついてくれず、まこと口惜しき限りである。
もともと恭子さんは津でギャラリーを始め、それから亀山に移り、そして三年ほど前、この僻遠の地に店を構えたのである。僻遠度から言うと我が武蔵五日市より上だが(たとえばADSLが来ていない)、しかしながら単なる僻地ではない。
というのも、武蔵五日市の場合、三十年ほど前の五日市街道拡張の際、古い街並をすっかり壊してただの田舎町にしてしまったが、ここ関町はちょっとラッキーだった。すなわち、東海道五十三次の中で唯一、古い街並がよく保存されているのだ。
およそ二キロにわたって、古い旅籠や店舗、寺院や民家などが残っている。町全体が博物館のようなところで、一日ぶらぶら遊んでいられる。名物「関の戸」という和三盆をまぶした餅菓子なども上品で旨い。
さて、この而今禾、東海道・関宿の町屋を改装したギャラリーだ。本日(2002/4/5)から三度目の真木テキスタイル展である。畳敷きの和の展示スペースというのも落ち着いていいものだ。
企画展中を除いた平生は、金土日の週三日オープン。これは、恭子&ヒロの夫婦が県中部の松阪に住まっている関係だ。ご両人は現在、この町屋を更に改造し、移住を計画中。この秋には開店日ももっと増えることだろう。
普段は衣や器、植物を中心に展示している。 (2002/4/7記)
04/5/31追記:
移住は完了し、開店日も週五日に増えた模様。
先日、信州松本でばったり一家に出会ったのだが、ゆめのもだいぶ成長し、私にも慣れてきたようだ。(慣れるとかなりのジャジャ…いや、お転婆娘のようなので、適当な距離を保つのが無難)
主婦の友社から而今禾の本が出版され、好評発売中とのこと。
ホームページはこちら。
鈴鹿郡関町中町 569 TEL 0595-96-3339 水木休 11:00-17:00
まじょえん (鎌倉)古都・鎌倉。駅からほど近い路地の奥に、ひっそり…、じゃなくて結構にぎにぎしく佇む、ここ、まじょえん。
いやーオレはてっきり、オーナーの竹内栄子さんが魔女だからまじょえんというネーミングなのかと思っていたが、本日(2002/3/21)はかくのごとく、白紬のお召しで登場 (写真左)。
う〜ん、魔女のイメージからはチト遠いかな…。しかしながらだ、ヒトの期待をあっさり裏切り、なおかつ、品定めに忙しい顧客を後目に嫣然と微笑むあたり、やっぱりあやしいかも。
ここ鎌倉に店を開いて二十有余年。現在の店舗は三つのセクションから成り立つ。陶器や服を扱う「すぺーす ま」、イギリス・アンティーク家具の「antique Ma」、そして諸国食材の店「ままや」。ぜんぶまがつくわけだ。すなわちまじょが衣食住をトータルに提案というわけ。
この「すぺーす ま」でこのたび三度目の真木テキスタイル展が開かれたわけだが、私ぱるばの関心はもっぱら「ままや」に。
シンプルだがいかにもうまそうな食材がそろっている。我々、いつもここを訪れるたびにしこたま仕入れては、ウチでしばらく楽しむのである。
今も真木千秋は展示会場を抜け出して、「ほうじ茶」とか「そばの実スープ」とか「炙り昆布」とか「ジャージー飲むヨーグルト」なぞ買い込んでいる。吾輩は「丹波黒大寿」なる甘納豆を購い、それを食みつつ拙稿をしたためているという次第。うん、なかなかいける。共通の友人である佐藤弓(下欄出演↓)の推薦は「ザーサイのたまり漬け」であったが、残念ながら季節モノゆえ、今回は手に入らず。
まじょえんホームページはこちら。(2002/3/21記)
鎌倉市扇ガ谷 1-8-4 TEL 0467-22-6877 10:00-18:00 日曜定休
せき宮 (岩手・平泉)奥州平泉・中尊寺のふもとにできた新しいギャラリー。
オーナーは関宮さと子さん。11年ほど東京でランドスケープ設計に携わった後、帰郷。うつわ物を中心に地元・岩手の工芸を紹介したいということで、三年ほど前に店を開く。小さな街にありながら、こだわった店づくりをしている。
真木テキスタイルのモノとは、東京時代に出会い、愛用していたそうだ。
2001年秋に初めて当スタジオの展示会をお願いする。
まだ出会って日の浅いこちらのギャラリーで展示会開催とあいなったウラには、ある人物の存在がある。
佐藤弓という名のその女性(写真右…夫の惣司氏と)。真木千秋の美大時代の友人だ。結婚後、夫の実家のある一関に転居し、コーヒー焙煎店を開く。佐惣珈琲豆という名のその焙煎店、真木千秋いわく「こんなにおいしい豆はない!」ということで、ここ数年来せっせと取り寄せ、毎日のように飲んでいる。
その弓ちゃん、珈琲焙煎業の傍ら、地域活性化のために獅子奮迅の活躍をしているのである。ここ「せき宮」も弓ちゃんイチオシのギャラリーであったわけ。
そこでこの夏、ひょっこり「せき宮」を訪ねた真木千秋。そのセンスにいささか共感するところがあったらしい。弓ちゃんの強力バックアップもあるゆえ、ここ北東北(きたとうほく)で初の展示会を! という次第になったわけである。
ここ一関は「餅王国」と呼ばれるほど、餅料理の盛んなところ。(モチリンピックという催しまであるらしい)。さすが奥州藤原三代の故地、今でも独自の文化を育んでいるようである。(2001/11/7記)
平泉町平泉字坂下 39-29 TEL 0191-46-2070 10:00-19:00 水曜定休
isis (京都市)「イシス」と読む。これはオーナーの名前に由来する。(エジプトの女神とは関係ない。古いジャワ語でisisは「そよ風」を意味するらしい)
京都御所のすぐ南。古い町屋を改装した、瀟洒なギャラリー。
ジャワ更紗を主に扱っている。
オーナーの石田加奈さんは、この仕事を始めて十数年。ジャワ島西部のチレボンに工房を持っている。
年に何度か往復し、職人たちと一緒にオリジナルのバティックづくりに励む。絹物の場合、織りの段階から様々な工夫を凝らす。
半練りの絹バティックなど、すこぶる気持ちいい。
しかし加奈さんは、いやバティックは綿の方が面白いと言う。
中には、昔ながらの手紡ぎ手織布にインド藍で模様を施すという興味深いものも。またバリではカゴ作りも。
真木千秋はここisisのカゴが大好きで、家じゅうあちこちで使っている。
趣味が合うらしい。夫の順治氏は印刷所を経営。じつは当スタジオのDMは、こちらにお願いしているのである。(99/9/28記)
中京区麩屋町通り竹屋町上ル舟屋町418 TEL 075-254-5157 月休み
スペースen(仙台市)JR仙台駅から車で五分ほどのところにある、当スタジオともっともつきあいの新しいギャラリーのひとつ。
真木テキスタイルの展示会を初めて開催したのが98年の11月。つい先日、訪ねたばかりなのだ。ほんとうは本ページでご紹介すべき古いつきあいのお店はいくつもあるのだが、最近私ぱるばは展示会をさぼっている。久しぶりに出向いたのが、この東北は仙台だったというわけ。東北地方といえば、長らく真木テキスタイル不毛の地だった。みちのくの「首都」ともいえるこの街で展示会を開いたのも、これが初めて。ほとんど全県で展示会を開いている九州とは、著しい対照をなしている。
この不毛のジンクスに風穴を開けたのが、一昨年展示会を開いた福島市の「風と木」だった。
この展示会によって真木千秋も、東北という風土に目を開き始めるのである。東北の人々というのは、どうやら私や真木千秋みたいに騒々しくはないらしい。だから静かでいいんだけど、反面、自己アピールに欠けるところがある。
このギャラリーenのオーナー、小野陽子さん(写真の人物)の場合もそうだったようだ。
けっこう早くから真木テキスタイルに関心を持ち、青山の店にも何度か通うのだが、来店するたびに、初めて来たみたいな対応を受けたという。それでも、縁あって、やっとこのたびの展示会とあいなった。
小野さん自身はホームスパンを教え、夫や息子は写真を撮ったり舞台に上ったりというアーティスト一家。市内で新井淳一さんのイベントのオーガナイズもしたことがあるという。
スペース的にはそれほど大きくないが、趣のある店づくり。今回はほとんどのものを片づけ、店内は真木テキスタイルの布一色になっていた。通常は焼き物とかガラス、お菓子などを置いているという。(1998/11/22記)仙台市青葉区上杉5-3-53 TEL 022-225-4038
ガレリ・ヴォワイヤン(静岡市…現在休止中)
拙著『タッサーシルクのぼんぼんパンツ』の中にも登場する、当スタジオとは古いつきあいのギャラリー。ちょっと難しい名前だが、「ガレリ」とはフランス語で「ギャラリー」、「ヴォワイヤン」とは同じく「見者」という意味。つまり先見性のあるギャラリーというわけだ。
JR静岡駅からほど近い繁華街の両替町に、「テルツァ・ポルタ」という四階建てのビルがある。横文字ばかりで恐縮だが、これはオーナーである大久保夫妻の趣味なのだろう。
夫の満男氏はその四階で「大久保歯科医院」というのをやっている。歯医者さんなのだ。そして三階にあるギャラリーを切り回すのが、奥さんの伊佐子さん。この伊佐子さんとは、沖縄・西表島までご一緒した仲だ。『ぼんぼんパンツ』にもある通り、そもそも満男氏は静岡市の文化活動にえらくご熱心で、本業のほうはおろそかになりがち。
このガレリ・ヴォワイヤンも、どちらかというと、絵画や彫刻といったアート関係のギャラリーなのだ。だからここで展示会をすると、当スタジオの布も、なんとなくアートピースっぽい高貴な雰囲気を帯びてくる。
オープンして八年目に入り、その間に真木テキスタイルの展示会も五回ほど開いている。つきあいの古いところだから、私ぱるばもよくアッシー君ででかける。もちろん基本的にひまな私は、ときどきフラッと散歩に出かける。
よく行くのが、安倍川にかかる橋のたもとにある『石部屋(せきべや)』。ここは言わずと知れた「安倍川餅」の老舗だ。愛想は悪いが餅はうまい。安倍川餅は新幹線の中でも売っているが、やはり店屋でできたてを食うのが一番。きなこ餅のほかに、醤油とワサビで食う「からみ餅」というのもある。これは店じゃないと食えない。(1998.2.19記)〒420 静岡市両替町 2-6-3 3F TEL054-272-5421
壷中楽 (鹿児島)60万都市鹿児島の市心から車で二十分ほどの住宅地・吉野の竹林に、静かにたたずむ、ここ壷中楽(こちゅうらく)。
オーナーは牧美津代(まきみつよ)さん。店を始めて十年になる。以前は近くの繁華な街道筋に出店していたが、二年ほど前、自家所有の竹林の一画に瀟洒なギャラリーを新築した。
名前にも見る通り、普段は陶器を中心に展示している。真木千秋ともかなりセンスの通ずるところがあって、訪ねるたびにいろいろ器を購入している。この牧さんはまた料理が上手で、「おばんざい」と称して水木金の週三日、様々な食器にお総菜を盛りつけて、お客さんに供している。これがこのギャラリーを訪ねる楽しみのひとつである。ここは実は、日本でも数少ない、私ぱるば関係のギャラリーなのである。
私の20年来の友人にマーチン・ゴウという英国人がいる。彼とはロンドンで出会ったのだが、その後来日し、鹿児島大学の講師になった。そして当時鹿児島オペラのプリマドンナをしていた洋子と出会い結婚。その間にかわいい子供が二人いる。
その洋子の紹介でこのギャラリーと出会ったのだ。今から五年ほど前のこと。以来、今までに四回、展示会を開いている。私関係のギャラリーだからして、当然のことながら毎回私も顔を出す。オープニング・パーティには牧さんの腕によりをかけた「おばんざい」が山ほど出て、これがまたウレシイのだ。(1997.11.27記)
〒892 鹿児島市吉野町 2433-17 TEL099-243-2555 日月祝休み