東京西多摩、秋川の清流を見下ろす崖上 |
このたび、「シンプル・ストール」というシリーズが登場。 名前からして非常にシンプルである。 「いつでも手軽に使えるストールを」ということで誕生した。 シルクと麻を使い、秋のこの時期、柔らかくて暖かい。 サイズは 50 x 170 cm くらい。 2柄5色が順次お目見えする予定である。 (上写真で真木千秋着用のものが生成、私ぱるば着用のものがチャコール) 価格:18,000円。 織師ワジッドがジャカード(紋織り)機でこつこつ織っている。 青山店と「竹林の秋」イベントで同時デビューとなる。 できたてのホヤホヤなので初回ロットは二十枚前後と少ないが、AA7ストールみたいに「幻」とはならないので、ご安心を。 ところでこの写真、今回送付のDM用にと、急遽スタッフに撮ってもらったのだが、やっぱりイマイチということでボツになってしまった。 せめてHPで、ということで特別掲載。 さて、あと三日後に迫った竹の家オープンハウス「竹林の秋」。 |
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10月24、25、26日の三日間、竹の家にて「オープンハウス・竹林の秋」が開かれる。 お陰様で、まずまずの天気。 上写真は、本日午前の模様である。 秋空をバックに、家の前に茂るケヤキの木々。 風の吹くたびに、黄色くなった枯葉を散らし、秋らしい風情を醸してた。 冬前にはこの葉が全部落ちてしまうわけだから、掃除もたいへんだ。 じつは、イベントの初日、庭の片隅に寄せ集めておいた昨年の落ち葉の山に、コムラサキシメジをいくつも発見!(中写真) 私は狂喜乱舞したのであるが、他のみんなはけっこう冷静、というか冷淡。 そこで私はひとり淋しく、イベントの合間に味噌汁に入れたりして食したのである。 なかなか美味であった。 (私の生存を危ぶむ向きもあったが、もちろん今でも生きている) さて、一年ぶりのオープンハウスだったせいか、例年より多数の来訪を頂く。 二百個ほど用意した竹コップも、三日目の午後にはなくなってしまった。 Silko (しるこ)もなかなかの人気で、連日、三時頃には売り切れる。 下写真、手前、長火鉢の上で餅を焼く船附クン。 藍の父であるこの船附クン、じつは昨年、皆に惜しまれつつ、隣町・日の出から、静岡・浜松へと転居したのである。 しかし「竹の家」イベントと聞くと、じっとしてはいられない。 このたびは妻子をクニに残し、よっぴいてクルマで駆けつけ、参加したのであった。 その奥にいる群像は、藍の葉をちぎる人々。 信州上田で育てた藍草を乾燥し、その葉をちぎって集めているのである。 左端の白い人物は、千葉から来た寧々ちゃん。(八歳) お母さんが展示を見ている間、感心にもこうしてウチの手伝いをしてくれている。 (おまけに私にアメ玉もくれた) かくしてちぎった藍葉で、いつかスクモを作ろうと企んでいる。 折も良く、来訪客の中に、簡便なスクモの作り方を知っている人がいた。 今度、出かけて習ってこようと算段している。 というわけで、みなさんの愛に支えられつつあゆむ、MAKI TEXTILE STUDIO であった。 (ちなみに、三日前掲載↑の太田綾が準備していた糸束は、「ひとつ300円、ひとり二束まで」としたが、一日目で完売だったそう) |
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今、午後6:15。Maki 青山店。 明日からの安藤明子・百衣(ももごろも)展 準備におおわらわである。 みんな忙しげに立ち働いている中、私ぱるばがヒマにまかせて盗撮した安藤明子作品の一部を、ここにご紹介しよう。 ←左上写真は、サロンを展示中の明子さん。 サロンというのは、筒状に縫製したスカート的な衣。 腰ヒモで留めるのが特長。 このグレーの作は、新井淳一氏のウール生地を使用したもの。 二枚重ねのサロンで、内側は薄ベージュの木綿。 その下にある、ベージュの作は、「袋サロン」。 写真ではわからないが、三種の布をループ状にハギ合わせてある。 すなわち、前でも後ろでも、上でも下でも、裏でも表でも、布の引き回し方で、無限のパターンが楽しめる。 この説明で不明な人は、実物をご覧あれ。 |
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↑右上写真は、「ひとつ釦単衣」。すなわちボタンがひとつだけある。 Maki 布「しゅくしゅく」を、縮絨(しゅくじゅう)させて使用。 グレーとベージュの二色。 |
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←左中写真は「袖通し上衣」。 すなわち、ソデだけがあって、前はない。 肩と腕、そして背中の半分を覆う。 袖を通さないでマフラーとしても。 Maki 布「バーク」を使用。 右中写真→は「ナーシ上単衣」 左の「袖通し上衣」の上から重ねている。 Maki 布「ナーシ・フローツ」を縮絨させて作った、ベスト的な半袖衣。 |
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←左下写真は「襟重ね上単衣」と「腰巻」。 「襟重ね…」は、ウールとナーシ絹で織ったMaki 布「ウネ」を縮絨させて使用。 前向きにも後ろ向きにも着られる。 写真は長袖だが、ほかに七分袖も。 また、Maki 布「小ギザ」を使った、生地違いバージョンもある。 「腰巻」もウールとナーシ絹。昨年の蚕衣無縫展のために織った布を使用。 パンツやサロンの上に重ね、暖かで、お洒落。 |
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右下写真→ 上に掛かるのは、「イカコート」。 使用した生地は、「ウール・ナーシ格子」、すなわち wool x silk。 下に半分だけ写っているのが、「とんがり型上衣」。 生地は「モトゥカ・バーク」。すなわち、絹100%。 |
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明日から始まる「三谷龍二展」。 今回で五回目になるようだ。 さっきみんなで数えてみた。 「桜の器展」とか、「雑木の器展」とか、いろいろあった。 三谷氏いわく、「ここでやった回数が一番多い」。 そう言えば、三谷氏との最初の縁は、今を去る11年前、松本クラフトフェアでのことであった。 千秋の友人の娘が、三谷氏を父親と間違え、「パパー!」と言って、いきなり氏の脚に抱きついたのである。 子供慣れしている三谷氏は平然としていたが、子供の方が間違いに気づいてびっくりしていた。 写真上は二階で展示作業中の三谷氏。 店はすっかり三谷ワールドと化している。 全部で109種、数百点が展示される。 今回のテーマは「白漆」。 今、三谷氏が一番力を入れている分野だ。 白といっても、写真中上に見る通り、真っ白ではない。 白漆というのは漆にチタンを混ぜて作るのだが、漆とはそもそも褐色なので、白褐色とも言える色になるのである。 ただ漆は年月が経つと透明になってくるので、やがて白味が増し、艶が出てくる。 今年一年作りためた、白漆の作品である。 ほかの展示会ではほとんど見せていないというから、請うご期待。 大小様々の木皿。 ブラシワークが美しい。 会場には「プチ・ミュージアム」があり、長年使い込んだ三谷作品などが展示されている。(もちろんウチのもある) そこにも解説されている通り、現在の三谷作品は大きく分けて、1.山桜木地(オイル仕上げ)、2.神代ニレ(埋もれ木)、3.黒漆、4.白漆、の四種である。 色で言うと、1.生成、2.グレー、3.黒、4.白、の四色だ。 写真中下が、その黒漆と、神代ニレの作品(右側・実物はもっとグレー)。 神代ニレの産地は、北海道の日高。 川底に埋まっているのだそうだ。 千年から七千年前のものだという。 天然木にない色合いと質感。 いはば、「神さびた」というか。 この感じはなかなか写真では伝わらない。 下写真は、今回の超大作。 二つながら二階の壁に立てかけてある。 (三谷氏は彫塑作家でもある) 真木千秋は密かにこれを狙っているらしい。 いや、右側の方だが、長さ160cmほどの神代ニレ製大皿。 ほんと、私も欲しい。 みなさんユメユメ買わないように。 (と言いつつ値札はつけてあるのだが…。左側希望の方は応相談) 三谷氏は、12日(金)、13日(土)、14日(日)の三日間在廊。 (ついでに真木千秋と私ぱるばもその三日間在廊) |
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年の瀬も押し迫った真木テキスタイルスタジオ「竹の家」。 その一室で黙々と布に向かう人影。 一年ほど前からスタジオに加わった新人、太田綾だ。 糸や布をいじるのが大好きな、Maki 最年少スタッフである。 服飾デザインを勉強した太田綾、昨年まではパタンナーとして働いていた。 その腕を買われて、今日はMaki 衣のパターンおこしだ。 春物のショート・コート。 春にさらりと羽織る。 真木千秋のイメージにできるだけ近づけようと、健気にがんばっている。 これをスーツケースに忍ばせて太田綾、十日ほど後には、初のインドに旅立つ。 期待と不安sの交錯する日々。 デリーの縫製工房には、マスタジと呼ばれる親方職人がいる。 工房のパターン作成を一手に担っている人だ。 さてこの一見いたいけな太田綾が、百戦錬磨のマスタジを相手に、いったいどう渡り合うのか!? いずれまた恒例のインド絵日記でお伝えすることにしよう。 ところで、この「ミュージアム・ピース」という布。 その原型に出会ったのは、今を遡る十年ほど前、南インドの絹都バンガロールにあった小さなミュージアムでのことだった。 (詳しくは名著174ページ参照) その縁もあって、「ミュージアム・ピース」と命名。 手で引いた生糸と玉糸を使って、オーガンジー風に織り上げている。 ちなみに、英語でmuseum pieceとは、「傑作」という意味である。 さて、太田綾の手によって、どんな傑作が誕生するのであろうか。 三月MAKI青山店にて開催の「春繭の布」展にてお目見え予定。 |
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masterji
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